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【取材記事】介護事業との親和性がきっかけになった、継続的なリサイクル食器事業で地域と社会に貢献する
有限会社 齋藤アルケン工業 環境事業部 ほほえみライフ
何らかのきっかけがあって、メインの事業のほかにも新しい事業にも参入する企業も一定数存在します。今回、オンラインインタビューを行った、島根県浜田市で介護事業を展開している有限会社齋藤アルケン工業もそのうちの一つです。2017年に行政との接点がきっかけで、リユース食器のレンタル事業をスタートし、地域の活性化に貢献しています。ほかにも竹ストローの販売を必要としている方に向けて、販売も展開。今回のインタビューでは、介護×地域×使いまわせる食器×SDGにフォーカスし、展開。有限会社 齋藤アルケン工業 環境事業部 ほほえみライフ代表の齋藤様にお話をしていただきました。
お話を伺った方
齋藤 憲嗣(さいとう けんじ)様
有限会社齋藤アルケン工業 代表取締役
有限会社よろこぼう屋 代表取締役
合同会社ライフピークス 代表社員
1972年生まれ 島根県浜田市出身
大東文化大学卒業後、株式会社桐井製作所に入社
広島工場での製造現場を経て、山口出張所の立上げに営業担当で関わる
2000年有限会社齋藤アルケン工業に入社し、内装事業の現場作業を経験
2009年に介護事業へ進出
2019年有限会社よろこぼう屋から事業承継、2022年JA福祉センターから事業承継を受け、それぞれの代表を努める
mySDG編集部:御社のリサイクル事業部の部署として展開されていらっしゃる竹ストローとリユース食器を中心にお話をしていただければと思っております。まずは、御社の創業したこれまでの経緯について教えていただいてもよろしいでしょうか?
齋藤さん:弊社は昭和56年に私の父親が内装業、建築関係の仕事で会社を立ち上げました。それが「有限会社齋藤アルケン工業」ですが、私が2000年に地元に帰ってきて、家業を手伝うことになりましたが、事業も景気もあまく良くなかったので、2009年に介護事業の方に業種転換をし、新たに進出しました。これまでさまざまな事業に取り組んで、2016年、SDGsの取り組みであるリユース食器のレンタル事業を開始しました。竹ストローはリユース食器に付随して取り扱いを開始しました。
mySDG編集部:リユース食器といったSDGs関係の事業を展開したきっかけはあるのでしょうか?
齋藤さん:弊社は介護事業をやっているので、行政との関わりが非常に多いんです。きっかけは、自分が市役所の方に行ったとき、そのときに環境課の職員さんが、「リユース食器っていうものを、地域に根づかせたい」という思いを持っていらっしゃっていて、「なかなかその取り扱いの事業所さんが見つからない」というお話をされてたんですよ。その背景として、当時、島根県自体がリユース食器っていうのを先進的に取り入れようという動きがあった中で、私の住んでる島根県浜田市の市役所も「ぜひ地元で、活用したい」っていうことだったんですね。リユース食器を探していらっしゃるってことで、私がどんなものかを聞いたときに、「食器をイベントで貸し出してゴミの削減し、それを回収して洗って再び貸し出す」ということだったので、私どもがやっていてる介護事業で福祉用具のレンタル事業でベッドや車椅子を貸し出して、使わなくなったら回収して、また必要な時に貸す出すノウハウとリユース食器のレンタルと一緒だなと思いました。
mySDG編集部:延長線上みたいな感じですね。
齋藤さん:そうですね。レンタルのノウハウは一緒だと思ったので、弊社の方でも取り組むのを検討しますよってことで、話を持ち帰ったんですよ。いろいろと調べていくと単独ではできないとわかりました。もともと山梨にリユース食器をやっているネットワークみたいなものがあり、そこにリユース食器の仕組みや洗浄のやり方とかの研修を受けに行ったんですよ。ノウハウを学んで、2016年にリユース食器のレンタルを開始しました。我々も介護事業っていうのは社会貢献的な意味合いも強い事業であって、「環境」っていうのもまた親和性もある部分だったので、ぜひ取り組んでみてもいいなっていうのは、すぐに思いました。聞いてみると島根県にそういった事業所が全くなかったんですよ。
山梨で仕組みとか学ぶ中で、リユース食器の事業は全く収益性は取れない事業だなっていうところは、途中でわかりました。ボランティアではありませんが、奉仕的な意味合いでやっぱりなくてはならない――。当時、これからそういったところが必要になってくるなっていうのはすごく感じていたので、弊社の介護事業の余力の部分でリユース食器事業を取り組もうと思いましたね。
mySDG編集部:2016年や2017年っていうのは、まだSGDsが世間での認知度もまだ浸透していなくて、ちょうどその言葉が出始めた時期ですよね? それを見越していたのでしょうか?
齋藤さん:当時の記憶としては、「SDGs」っていう言葉はなかったと思いますが、温暖化やゴミの問題はすごく出ていました。一つのきっかけとしては、地元で秋にやる産業祭です。港町である地元の魚を使ってすごく大きな鍋を作るんですね。それを無料配布します。5000食を作るんですよ。ただ、その5000食を使い捨てのプラスチック容器に入れて配布するんですよね。割り箸も渡して――。当時、これを何十年続けていたのですが、もうゴミは馬鹿にならない量でした。そういう状況を行政も気にかけており、私もその産業祭を開催する側のメンバーでもあったので、イベントゴミの削減という点でリユース食器のレンタルを活用できればいいなっていうのもありましたね。
必要性を感じていた部分で、リユース食器のレンタルの話があったので、ないのであれば、弊社ができる範囲でやってみようっていうところはありましたね。
mySDG編集部:最近、竹ストローを私も見たことがありますが、竹ストローのことについてお話をしていただければと思っています。
齋藤さん:竹ストローは、リユース食器をイベントなどで活用いただく中で活用していただいています。箸とかスプーンとかは貸し出しできるんですよ。ただ、やっぱりドリンクなんかについてるプラスチックストローについては、考えてもレンタルで貸し出しすることができなかったんです。そこだけは対応できないジレンマみたいなものがあったのですが、コロナ禍で竹ストローの存在を知りました。竹ストローはごみの削減にはならないんですけど、プラスチックの代用として使うことで、プラスチックゴミ削減ができると思って、取り扱いを開始したっていうところですね。
mySDG編集部:竹ストローは、ちょっと普通のストローより何か幅がちょっと大きいなっていうのがあって、長さと大きさ的にどんなものをイメージしたらいいですか? 普通のストローの長さですか、ファストフード店にあるぐらいのストローですか?
齋藤さん:そうです。ストローの大きさを2種類選べますが、タピオカのストローほど太くありませんが、普通の太さのストローです。紙のストローだと、時間経つとちょっと……。
mySDG編集部:紙ストローだと、フニャフニャになっちゃう。
齋藤さん:竹も基本的に「使い捨て」って言ってるんですけど、ご自宅で使うのであれば、洗って何度も使えるとは思います。
mySDG編集部:そうですね、綺麗に乾かせば何度も使えそうですね。
齋藤さん:我々も竹ストローをリユースで扱おうかと思ったんですけど、消毒して乾燥かけるタイミングでやっぱり破損が起きるんですよね。割れたりとかするので。それをちょっとそれをお金いただいて、何度も貸し出すっていうのはちょっと難しいなっていうところで、竹ストローのみ販売っていうところで対応してます。
mySDG編集部:竹ストローを見せていただくことはできますでしょうか?
齋藤さん:(画面越しで竹ストローを見せていただく)
mySDG編集部部:使いやすそうですね。お菓子みたいで、おいしそうです。
齋藤さん:竹ストローは20センチちょっとですね。
mySDG編集部:硬いんですよね?
齋藤さん:そうですね。ええ。はい。
mySDG編集部:加工とかがちょっと難しそうだなって思いますが。家には竹ストローがあってもいいかもしれないですね。
齋藤さん:我々も竹ストローの写真を撮らしてもらったとき、撮影で竹ストローを使いましたが、結構おしゃれな感じでいいと思います。
mySDG編集部:リユース食器とかの事業を始めて、コロナが流行り、御社も少なからず影響が出たと思いますが、その中で今の活動を続けていくことで感じた課題や見解にず影響が出たと思いますが、その中で今の活動を続けていくことで感じた課題や見解についてお話をしていただくことってできますでしょうか?
齋藤さん:弊社のメインは介護事業で、リユース食器でそんな売り上げがあるかっていうと、そうでもなくて――。実際2016年から200件くらいの貸し出しをしていたんですね。介護事業をやってた関係もあって、コロナになっても会社全体の売り上げ的には影響はなかったです。むしろ増えた状況ではあるんですけど、リユース食器に関して言うと、2020年のコロナが流行ってから全く依頼がなくなりました。
mySDG編集部:イベントがなくなったからですよね?
齋藤さん:2020年2月を最後に貸し出して以来、イベントの予定が入るのですが、キャンセルとなりまして。
mySDG編集部:今、コロナから2年半ぐらい経っていますけど、今はいかがですか?
齋藤さん:世の中が動きだしてて、問い合わせが入り出したので、この竹ストローで開始したんですけど。実際、この8月とかに「イベントをやるので、お願いします」みたいな話があるんですけど――。イベントがあるけど飲食をちょっとなくすとかということもあるかもしれないので、リユース食器自体がどう動いていくのかはちょっとわからないですね。コロナだとイベントがなくなってしまい、どうなるかわからないような状況。イベント自体あるけど、飲食がないから食器が出ないとか、産業祭で提供する鍋をやめたので食器がなくなったっていうことはありますね。
mySDG編集部:多分、今、どの会社様も先行きが見えない状況で色々な課題を抱え、先が見えないようなご状況で活動されていると思います。そんな中で、リユース食器や竹ストローの事業が、今後、こんなふうに世間に広まってほしいなとか、望みや目標とかはございますでしょうか?
齋藤さん:リユース食器の活動は行政が取り組んで、率先してやり始めました。公民館とかの小さいお祭りで、リユース食器を地元で活動していただいただいてたんですよ。やっぱり年に一度、一番大きな産業祭で活用していただいたので、最初の年は使う側の市民の方がちょっと戸惑いを見せていましたけど、2年3年経ったときに違和感なく皆さん使われてます。結構浸透してたなっていう実感があった中で、コロナでそこがなくなったんですよ。そこはすごく勿体ないなっていうところと、今後、コロナが終わってまた「ゼロからリユース食器を浸透させていく」のかなっていう点で、不安というか、みんな覚えてるかなとか、そういうのはありますね。
リユース食器を貸し出しすると何が問題かっていうと、返却しないといけないんですけど、そこの認識がわからない人が多かったのです。イベントが終わって、紛失がとても多かったりとか――。その回数を重ねてみんなが経験していくことで、これは返すものだっていうのは、やっぱり浸透していったので、返却の問題がやっぱりほとんど減ったので、浸透したなっていう実感としてはあったんですよ。ただ、コロナでリユース食器を使うことが本当になくなっちゃったので、みんな覚えてるかなっていうのはすごく思います。山梨のリユースネットから出してもらうような状態にしているので、中国地方とか、他県でもあれば、お届けすることは可能ですね。
我々としては、リユース食器や竹ストローの事業を利益が出ないからやめるという決断は正直ないんですよ。利用が少なくても、やはり我々が取り組んでいるということで、必要として下さる方もいます。今後は利益のあるなしに関係なくそういった取り組みが当たり前になってくるのではないかと思います。
我々の住む島根県浜田市っていうのは、日本海の港町なんです。海水浴に行くと、異国のプラスチックのゴミなんか多かったりとか――。子供の教育ではありませんが、プラスチックごみのことも取り組まれてるので、ゴミ削減などのきっかけ作りみたいになればいいかなって思います。時代が変われば、もっといろいろな方法でゴミ削減出てくると思うんですけど、リユース食器や竹ストローがゴミ削減の一つの手段だというふうに僕は思って取り組み続けようと思ってます。
mySDG編集部:本日はお忙しい中ありがとうございました。
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