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【取材記事】適切な衣類ケアで洋服を長く大切に着続ける サステナブルに洋服を楽しむ手段としてのクリーニングの新しい概念
株式会社ホワイトプラス
「持っている服を捨てずにクリーニングで蘇らせ、長く大切に着続けることもサステナブルなアクションと知ってほしい」——SDGsや衣類ロスの観点から、クリーニングのあらたな可能性を提示するのが、宅配クリーニングサービスの「リネット」です。 店舗に行くことなく24時間オンラインで「予約」から「宅配手配」まで完結できる、ネット完結型のクリーニングサービスを提供しています。その中でもクリーニングを「服を長く丁寧に楽しむためのサービス」として発信するのがリネットの大きな特長です。今回はリネットPR担当の高見さんに、SDGs目線で事業に取り組む背景や、衣類ロス削減に向けた具体的な活動内容についてお話しを伺いました。
【お話を伺った方】
株式会社ホワイトプラス マーケティング部 PR・コンテンツG 高見 唯樹(たかみ・ゆいき)さん
明治大学卒業後、リクルートライフスタイルにてWEB広告営業、人事に従事。その後、GMOアドパートナーズにて、年間100名超の採用を経験。2017年ライフスタイル領域のホワイトプラスに参画。人事業務を経て、現在はPR・SNSマーケに従事。
mySDG編集部:宅配クリーニングを展開する御社がSDGsを意識した取り組みをされている背景を教えてください。
高見さん:通常クリーニングというと、汚れが落ちない衣類や自宅で洗えない衣類をクリーニングに出すという側面がどうしても強いですよね。けれど、そもそもクリーニングとは、洋服を長く大切に楽しんでいただくための準備の一つでもあると思います。洋服を大切に着続けるためには適切な衣類ケアが必要です。その点クリーニングは、ご家庭では洗うことができない衣類のケアができますし、水洗いとは違って、洋服をできるだけ傷めず、キレイに仕上げられるのもクリーニングの大きな利点です。衣類の状態が良ければ長く着続けられますし、結果として衣類ロスの削減にもつながります。
mySDG編集部:確かに自宅でニットなどを洗った場合、素材の表情が失われてしまったり、サイズが縮んでしまったり、購入した当初の衣類の魅力が半減してしまうことがあります。そこからクローゼットの肥やしにしてしまったり、最終的には廃棄してしまったりすることもあるので、「洋服を長く大切に着続けるためのクリーニング」という考え方には納得です。
高見さん:家庭洗濯では落ちにくい汚れや、おうちでは洗えない洋服に対応することだけがクリーニングの役割なのではなく、「サステナブルに洋服を長く楽しむためのクリーニング」という点で、ある種これまでのクリーニングの概念を変えたいという思いもあります。
mySDG編集部:とはいえ「時間」「お金」の面から、洗濯機のドライコースなどで洗えるものは自宅で洗ってしまう方も少なくないと思います。あらためてクリーニングを活用するメリットや賢い活用方法などもぜひ教えてください。
高見さん:例えばニットなどの衣類は、おしゃれ着用洗剤を使って洗濯機のドライコースで洗濯される方も多いかと思います。その場合、衣類が傷まないよう洗濯ができる反面、なかなか汚れが落ちきらないという声がよく聞かれます。ニットが縮むことを防いではくれますが、やはり洗浄力が弱まってしまうんです。毎回クリーニングに出すのは金額的に負担が大きくなりますので、ワンシーズンに1〜2回は出していただくと、キレイに汚れが落ちて、新品のような着心地をキープできると思います。
mySDG編集部:自宅のおしゃれ着洗いで感じるはがゆさ、非常にわかります。クリーニングだからこそ実現できるケアは確かにありますよね
高見さん:そうなんです。例えばワイシャツや白いTシャツが黄ばんだ経験がある方も多いのではないでしょうか。黄ばみは家庭洗濯で落ちきらない皮脂汚れが原因なので、クリーニングで汚れをしっかり落とすのがおすすめです。頻度を調整したり、衣類によっては「クリーニングに出すもの」「自宅で洗うもの」とすみ分けをしたり、ご自身のルールに合わせてクリーニングを上手く活用いただけたらと思います。
mySDG編集部:2022年11月12日には衣類ロスをテーマにしたフリーマーケット「FUKU BATON」を開催されています。企画された背景を教えてください。
高見さん:昨年、リネットの会員780人を対象に『SDGsとサステナブルファッションに関する調査』を行ったところ、8割以上の方がSDGsや衣類 ロスに興味関心があると回答されていました。実際に、衣類を長く着るためにケアしたり、着なくなった衣類を古着として売ったりといった具体的なアクションをしている方の割合も非常に高かったのですが、それらがサステナブルな行動として認識されていないことが調査を通して見えてきたんです。
具体的な取り組みをしていると回答した割合(27%)に比べ、実際には多くの人がサステナブルなアクションを行っている
mySDG編集部:「身近にできる行動がサステナブルファッションの取り組みのひとつであることを知らない」という方が52%もいらっしゃったのは意外な結果でした。SDGsというと、大企業が行う壮大な取り組みというイメージがあるかもしれませんね。
高見さん:そうなんです。なので、わたしたちとしては「着なくなった服を誰かに譲る」ということもサステナブルなアクションであると知ってほしいという想いから「FUKU BATON」を企画しました。
さらにもう一点、アイデアの元になったのが「グリーンフライデー」というモノを大切に長く使うための持続可能な消費を促す取り組みです。ブラックフライデー(11月第4金曜日)に代表される過剰消費に対抗するもので、ヨーロッパを中心に徐々に注目されています。わたしたちのサービスとも関連性が高いため、「グリーンフライデー」をきっかけに「クリーニング=サステナブルなアクション」であることを知ってほしい、「クローゼットにねむる服を捨てずに、次の方へ渡すことで、新しい出会いが生まれるように」という願いを込めて、「FUKU BATON」を開催しました。
mySDG編集部:イベント内容を簡単に教えてください。
人気インスタグラマー、スタイリスト、モデルの方々に提供いただいた500点もの私服が集結!
高見さん:人気インスタグラマーさんや、ファッション誌で活躍するスタイリストさん、モデルさんから集まった私服を販売し、購入いただいた方にはリネットで利用できるクリーニングクーポン2,000円分をプレゼントさせていただきました。服の販売以外にも、イベント会場ではサステナブルをテーマにしたロスフラワーのワークショップやセミオーダーアロマミストの販売なども開催しました。
植物を布に巻きつけて(バンドル)蒸し上げる染めの技法を使って白い布をロスフラワーで染め上げる
mySDG編集部:イベントを企画するにあたって、特に意識されたことはありましたか?
高見さん:ただのフリーマーケットで終わらないよう、わたしたちが届けたいメッセージがちゃんと届くよう工夫したことですね。そのために衣類ロスやサステナブルファッションに関心を持っていただくための配布物を用意したり、ニットやコートのケア情報をまとめたリーフレットなども配布したりしました。
mySDG編集部:反響はいかがでしたか?
高見さん:インスタグラマーさんに告知していただいたおかげで、早朝は行列ができるほどの大盛況でした。インタグラマーさんが事前にSNSで紹介していた服をお目当てに来られた方もいらっしゃれば、たまたま通りかかってご来場いただく方もいらっしゃいました。当日はインスタグラマーさんとお客様の会話が盛り上がる光景も目にしたり、私自身もお客様と服のケアについて話したりして……。コロナ禍で分断されていた、人と人との交流が見られたのは、個人的に喜ばしい気分になりました。
mySDG編集部:エシカルなモノづくりを実践されるアパレルブランドとコラボするなど、従来のクリーニングの枠を超えた活動がとても印象的です。今後の展開についてもぜひ教えてください。
高見さん:クリーニングというと、どうしても「汚れを落とすもの」「マイナスをゼロにするもの」だと考えられがちです。ただ、わたしたちのサービスは、さらにその上をいきたいと考えています。一般的に自宅で行う洗濯やクリーニングは、いわゆるシャンプーをして汚れを落とすだけという状態ですが、シャンプーの後には多くの方がトリートメントまでしますよね。わたしたちのサービスは、そのトリートメントの加工までしっかり行うことで、繊維の1本1本がコーディングされて、汚れがつきにくくなったり、静電気が起きにくくなったり、色んな良いことがいっぱいあるんです。なので、マイナスをゼロにするだけではなく、マイナスからプラスになるような価値を提供し、クリーニング自体の概念を変えていきたいと思っています。アパレルブランドとのコラボも、その活動のひとつです。
mySDG編集部:ただ汚れを落とすだけではなく、より良質な仕上がりを実現するということですね。
高見さん:そうですね。具体的には、リネットでは「再仕上げ無料」「全品無料シミ抜き」を行うほか、プレミアム会員向けに「ワイシャツの抗菌防臭」「水洗い全品やわらか加工」などを提供しています。さらに自宅にいたままクリーニングに出せるので、店舗に行く煩わしさもなく、日本全国どこからもご利用いただけます。
実際にお客様からは「近所のクリーニング店に行かなきゃいけないという億劫なことをしなくて済むようになった」「素材や品質の良い物は手入れが手間で購入するのを躊躇していたが、リネットと出会ってからは安心して買うようになった」という声をいただいています。
わたしたちとしては、気軽にクリーニングで服をケアできる仕組みを構築できたので、次のステップとしてサービスを広めることが衣類ケアのハードルを下げることにつながり、衣類ロスやサステナブルファッションにつながっていくと考えています。そのため、今後は生活に役立つ衣類ケアの情報を発信したり、企業とコラボレーションをしたり、「クリーニング=サステナブルなアクション」というメッセージとともに、わたしたちのサービスを多くの方に知っていただくためのアクションに注力していきたいですね。
この進捗のプロジェクト
クローズアップ!SDGs活動
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